Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

荒木 明

ベルギー

Life in my dorm: 文化と文化を足し算する

荒木 明さん

教育学部
留学期間:
留学先:カトリック大学ルーヴェン

はじめに

多くの経験をした留学の中でも、寮での生活や人々がわたしに与えた影響はすごく大き
いものです。ベルギーにいる間支えてくれた多くの人がここにいて、これからも繋がって
いきたいと思える人にもたくさん出会いました。寮の生活だけでも書ききれないことばか
りですが、わたしの感謝の想いとともに振り返りたいと思います。

Junior House (通称:J House / H)

多くの経験をした留学の中でも、寮での生活や人々がわたしに与えた影響はすごく大きいものです。ベルギーにいる間支えてくれた多くの人がここにいて、これからも繋がっていきたいと思える人にもたくさん出会いました。寮の生活だけでも書ききれないことばかりですが、わたしの感謝の想いとともに振り返りたいと思います。

わたしの生活の基盤となる寮。ほとんどをこの場所で過ごし、ベルギーにいる思い出の中心でもあったと言える場所。27人という少ない中であらゆる国の人々。

ベルギー、オランダ、アメリカ、インド、ドイツ、トルコ、スロバキア、スペイン、イタリア、ルーマニア、そして日本の人々が住むとても国際的な寮でした。

今でも印象に残っている学生管理人の言葉があります。学期の始めに行うハウスミーティングで彼がみんなに対して言ったのは、「異なる国の人々が多く住むこの場所では、何か問題があったときは話をしてお互いを解り合おう。」ということでした。このミーティングがあったのは到着してまだ1週間。わたしはこの言葉を聞いて、『この場所にいられることに感謝したい。まだ来て数日だけど、帰国するときのことを考えると寂しい。』と感じたのを覚えています。

”誰かが部屋にいる”生活

最初にルームメイトに会ったのはベルギーに到着したその日。疲れてベッドメイキングもせずに寝ていたわたしに布団をかけ、シーツをひいてくれた彼女。当時のことはその後もわたしと彼女の間でよく話題になりました。

彼女の出身はオランダですが、3歳頃から13歳頃までトルコで暮らしていたためトルコ
語が流暢に話せます。アジアやオリエンタルな文化の教養や興味もあり、そのため日本人特有(だと思うのですが...)の“どっちつかずの意見”にもいつも理解を示してくれました。

ルームシェアをする。ルームメイトがいる。誰?どんな子?うまくやっていけるだろうか?...そんな心配はいらなかった、というばかりか彼女はわたしにとって大切な友だちの一人になり、嫌なことがあるとなんでも相談するような存在になりました。彼女の前では気疲れすることもあまりなく、自分リズムで自分の生活をすることができました。

ベルギーに留学にするにあたって“ラッキー”なことがいくつかありましたが、ルームメイトと良い関係を築くことができたのもそのひとつです

Our Environment, Our Culture

寮や部屋でのルール、イベントの一部を紹介します。
○My roommate and I
・「いってきます/いってらっしゃい」「ただいま/おかえり」日本での習慣を説明して以来使うようになった。
・”Good Night”を多言語(日本語・英語・オランダ語・トルコ語)で。
・部屋でのおやつはふたりの物。
果物やチョコレートなどふたりの共有スペースにおいてあるものは断りなく食べていいよということ。
○JH members
・寮での共有スペースの言語は英語。
・共通の話題は食べ物のこと、それぞれの言語の教え合い。
・Cake Night(on Mondays):
毎週月曜の夕食後、誰かがケーキを作りみんなで食べて雑談する会
・夕食のシェア(ルームメイトを含む女の子4,5人と交替で夕食を作り合っていた。)
・House dinner:それぞれ料理を作りみんなで夕食を食べる。学期の始めやThanks Giving Dinnerなど。
・テスト期間中の目覚まし音楽:

まとめ

わたしの生活は「ベルギー流」に溶け込む生活というものではなかったように感じます。それぞれが自分の国で振舞っていたように生活する場面もあれば、共同生活していくために生活の仕方を変えることもあります。

また、Junior Houseという寮は人数も少ないために特別な空気・雰囲気がありました
。お互いがお互いの顔を知っているし、今誰が寮にいない、部屋にいない、ということはすぐにわかってしまい、悪い面だとあまりプライバシーがないと感じることさえありました。しかし、それが「寮のルール=ひとつの生み出された文化」だったと思います。「様々な国の人が暮らしていく場所では、お互いがお互いのことを話して解り合おう。」これは、自分たちで文化を作っていくということだったのかもしれません。

実際に会話の中には、「日本ではどうする?」「オランダ語ではなんていう?」といったような、日常の何気ない会話でもお互いの文化や国での生活の様子を交換するやりとりが多くありました。

わたしがルームメイトやハウスメイトと良い距離を保って生活することができたのも、
相手と文化や生活スタイルを交換し、ベルギーでの自分のルール(=文化)を作ることが
できたからだと思います。「郷に入りては郷に従え」「住めば都」という言葉がありますが、自分の生活スタイルとは合わない部分があるならば、無理に合わせるのではなく、どうやったら合うようになるのか相手と向き合って知っていくということが必要だと知りました。